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2020年12月11日

新築・リフォーム工事の不具合で損害賠償請求が認められる場合

<内容>

■はじめに

 新築やリフォームの工事で当初合意していた内容とは異なる施工がされてしまったり、不完全な施工がされてしまったりした場合、どのような要件で損害賠償請求が認められるのでしょうか。

■工事が完成しているか?

 問題を検討する上で、まず工事が完成しているのか否かを判断する必要があります。工事が完成していれば、瑕疵があるかないかの問題、工事が完成していなければ出来高と債務不履行の問題となります。

 そして工事が完成しているか否かは、予定された工程を一応終えているか否かにより判断します。施工自体に問題があっても請負業者が一応最後の工程を終えた状態となっていれば、工事自体は完成したとみる点に注意する必要があります。

■瑕疵にあたるか?

 工事が完成していれば瑕疵の有無が問題となります。瑕疵には施工が不完全であった場合と契約に違反した場合があります。

 施工が不完全な場合に瑕疵にあたるかの判断は難しいところですが、一般的には許容限度を超えているか否かが基準になります。

 一方で契約した内容と異なる施工がなされた場合であっても、それだけで瑕疵にあたるわけではなく、その合意が契約の重要な内容となっている場合に瑕疵にあたるとされています(最判平成15年10月10日判決判タ1138号74頁)。特にこの判例では、通常よりも太い鉄骨を使うことで合意していたにも関わらず、それよりも細い鉄骨を使った場合に特に契約の重要な内容となっていたとして瑕疵の存在を認めました。これは当時、阪神・淡路大震災により建物が倒壊し学生が死亡したという経緯から特に太い鉄骨でのマンション工事を依頼したという事情がありました。

■お気軽にご相談ください。

水野健司特許法律事務所

弁護士 水野 健司

電話:052-218-6790

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