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2022年10月14日

[労働]セクハラの裁判で考えなければならない3つのこと

①行為の特定

 まずセクハラ行為を日時、場所、行為の内容などで特定する必要があります。セクハラは密室で行われることも多いので漠然とセクハラがあったというだけでは行為者側も、どの行為を指しているのかがわかりません。行為態様としても言葉によるものなのか、行為によるものなのかといったことを特定する必要があります。

②立証が必要か

 つぎに特定されたセクハラ行為の立証が必要になるかという問題があります。セクハラは密室で行われることも多いため、行為者側がその行為を否認し、主張が対立することもあります。その場合は立証が必要になります。録音やメールなどがない場合は法廷で尋問をすることになり、法廷で証言する必要があります。なお、証言が難しい場合は遮蔽やビデオリンクなどの措置もあります。

③同意が有効か

 さらにセクハラで行為者側から相手方は同意していたという主張が出ることもあります。セクハラ被害者の心理状態は研究が進んでおり、被害者は抵抗できない状態でむしろ好意的な態度をとってしまうということもあると言われています。

<コメント>

 セクハラの被害者は被害を受けてもそのとき拒否しなかったり、むしろ好意的な態度をとってしまったりした負い目があるため、被害を外部に訴えることにちゅうちょしてしまうことがあります。しかし、拒否できなかったのは職場の関係性が悪くなるのを避けるためのものであることが多く、このような場合であれば同意は有効とはいえないと考えられています。

 

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水野健司特許法律事務所

弁護士 水野 健司

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